3分でわかるイーサリアム(ETH)の特徴と将来性について

仮想通貨と言えば?の問いに対して、一番多い答えは「ビットコイン」でしょう。それじゃあ、その次に多いのは?に対する回答として、最も多いのは「イーサリアム」になるでしょう。

イーサリアムはビットコインに次ぐ仮想通貨であり、ここ数年でぐんぐんと時価総額、知名度を上げてきています。

イーサリアムはビットコインの弱点を解消したアルゴリズムを持ち、ビットコインにはない「スマートコントラクト」という画期的なシステムを持つことが特徴です。

おそらく、ビットコインに興味を持った人が、次に手を出すのがイーサリアムだと思います。

この記事では、イーサリアムとは何なのか?イーサリアムの取引アルゴリズム、あるいは重要テーマである「スマートコントラクト」について、わかりやすい言葉で解説していきたいと思います。

 

イーサリアムの基本情報

名称 Ethereum(イーサリアム)
公開 2014年2月
コード ETH
開発者/開発組織 Ethereum Foundation
コンセンサスアルゴリズム Proof of Stake
承認目安時間 約15秒
上限発行枚数 未定(初期発行:7200万)

 

 

ビットコインに次ぐ仮想通貨ナンバー2

イーサリアムは、2014年にクラウドファウンディングによって約16億円もの資金を調達し、その運用がスタートしました。現在、ビットコインの次に有名な仮想通貨です。

具体的に数字で示すと、仮想通貨としての時価総額がビットコインに次ぐ第2位なんですね。


(29年5月2日現在のデータ)

1位のビットコインに離されてはいますが、3位のリップルにも大きな差をつけており、不動のナンバー2としてのポジションを確立しています。

国内大手の仮想通貨取引所もビットコインだけでなく、イーサリアムも漏れなく取り扱っていますね。今後参戦する予定の大手証券会社グループのSBIバーチャル・カレンシーでも取り扱いが予定されています。

ビットコインとイーサリアムは、仮想通貨の中でも抜けた存在なのです。

 

スマートコントラクトとは?

イーサリアムの一番の特徴は「スマートコントラクト」という概念です。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上でプログラムを自動的に実行させる技術のことです。

…と言っても、なかなかイメージしづらいですよね。

もう少しわかりやすく説明します。

スマートコントラクトの前にビットコインをおさらいしておくと、ビットコインにおけるブロックチェーンというのは、ブロックの中のデータには「AさんからBさんに100BTCを送金した」などの取引情報が格納されているわけですね。

イーサリアムは、この取引情報のほかに「Aさんが○○したら、××することが可能になる」といった契約条件、履行内容をプログラムで記述することができるのです。

さらにわかりやすく、具体例で説明しましょう。

Aさんが、Cさんの曲を聴きたいとします。Cさんの曲はデジタルコンテンツです。通常であれば、iTunesなどのプラットフォームに行って、そこで曲を購入して、曲を視聴しますよね。

イーサリアムのスマートコントラクトにおいては、「Cさんに100ETH支払えば、曲が視聴可能になる」というプログラムを記述することが出来ます。

Aさんは、Cさんに100ETHを送金すれば、プラットフォームなどを介さずに、イーサリアムのブロックチェーン上で曲を購入することが出来ます。

これの何が画期的かというと、通常の取引では、Cさんは曲を販売するにあたって、iTunesなどのプラットフォームに手数料を支払わなければ販売することが出来ません。しかし、スマートコントラクトにおいては、第3者が介入せずに、ブロックチェーン上でコンテンツを販売することが出来るのです。

 

プルーフ・オブ・ステークの仕組みとメリットとは?

イーサリアムはプルーフ・オブ・ステークという承認アルゴリズムを採用しています。

このプルーフ・オブ・ステークは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークが「もっとも多い演算量」を投入したノードが正しいものとされるのに対して、「もっとも多いコイン年数」を投入したノードが正しいとされるアルゴリズムです。

プルーフ・オブ・ワークについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

3分でわかるビットコインとブロックチェーン技術の特徴、その将来性について

「コイン年数」とは、「コインの量×そのコインが使われなかった時間」のことであり、要するに「コインを長く持っている人」が報酬をもらえるわけです。

しかし、その人がずっと報酬をもらえるわけではなくて、一度「コイン年数」を投入してしまったら、そのコインのコイン年数はリセットされるので、次の取引は、その次にコイン年数の多い人が報酬をもらえるというシステムになっています。

このアルゴリズムはビットコインにおける大きな問題点を解決しています。

 

マイナー(採掘者)の寡占化の解消

ビットコインのプルーフ・オブ・ワークにおいては、とにかく演算を早く処理したものが勝ちなので、スーパーコンピューターをたくさん持っているほど多くの仕事量をつぎ込んだ人が圧倒的に有利です。中国の資本家などは、地方に大きな工場を借りて、数百台のスーパーコンピューターを稼働させて、マイニングをしています。それ自体がもう事業になっています。

これはもう言ってみれば、力技です。力ずくで、マイニングの報酬をつかみ取ることができるわけです。

そうすると、多くの仕事量を投入できる人が、報酬を得て、さらにマイニング能力を高めて、またさらに報酬を得る、という構図が出来上がり、より強い資本を持ったマイナーだけが生き残ってしまいます。

これはビットコインの創設者であるサトシ・ナカモトの描いた未来図ではなかったでしょう。

イーサリアムのプルーフ・オブ・ステイクでは、PoWのような仕事量で取引の正しさを承認するのではなく、「コイン年数」で正しいことを証明するので、この「マイナーの寡占化」という問題は起きにくいと考えられています。

ビットコインのマイニングのようにCPUをフル稼働させて演算処理をする必要もないので、電気代も比較的かからず、環境にやさしいですね。

 

イーサリアムは2種類ある?イーサリアム・クラシック(ETC)とは?

イーサリアムの通貨コードはETHですが、もう一つ、イーサリアムと名のつく仮想通貨が存在します。それは、「イーサリアム・クラシック(ETC)」です。

イーサリア・クラシックは、簡単に言えば、イーサリアムから分家したイーサリアムの流れを継ぐ仮想通貨です。

このイーサリアム・クラシックが誕生した背景には、ひとつの事件があります。

それは、イーサリアム上のプロジェクトであった「DAO(ダオ)」というシステムの設計ミスを突かれ、日本円にして当時約50億円もの資金が不正に送金されてしまったのです。

この事件を受けて、イーサリアム・コミュニティでは大きな議論を巻き起こしました。

「このまま何もしないで放っておくのか」あるいは、「ハードフォークによってシステムをロールバック(巻き戻し)して、不正送金の前の状態に戻す」のか。

様々な議論がなされたあと、イーサ・コミュニティが選択したのは、後者の「ハードフォーク」でした。

しかし、この決断には大きな反発が生まれました。システムをロールバックしてしまうことは、「半永久的に書き換えることが出来ない」ことをその信頼性の根拠としているブロックチェーン技術の根幹を揺るがす決断であり、ブロックチェーンの思想に反する動きでもあります。

結局、イーサリアム・コミュニティの決断を受け入れられなかった人たちが、ロシア人のBit Vovosti氏を筆頭にして新しく「イーサリアム・クラシック(ETC)」という仮想通貨を開発しました。

イーサリアム・クラシックは、基本的には本家イーサリアムと同じ技術であり、スマートコントラクトの記述も可能です。現在、仮想通貨時価総額ランキングでは、6位となっています。